家庭訪問。
担任は、30代の男性教諭だ。
ジロの担任歴では、
『30代』は初めてで
『男性教諭』は2度めだった。
6年になって、まさかこんな事になるなんて思わなかったし
こうなった最初の頃、ジロが休んだ日にはほぼ家庭訪問だった。
玄関先で、ジロと軽く今日あったことを雑談する。
「明日は来いよ」
そう言って帰ってゆく。
ある日、先生が言った。
「こんな毎回、先生が家に来るの、イヤか?
僕が小学校の時にこんなに先生に来られたらイヤかなぁと思って」
「イヤです」
だったら、学校行けやっ
行かないから、こんな事になってんじゃんっ
ってな言葉を飲み込む。
中田先生は、以後
電話連絡が主になった。
話は変わるけど、友人ユーリの娘ちゃんのカオちゃんの担任は、
20代の女性教諭で、うちの担任ほど密に関わってくれないと言う。
児童数も教諭の性格も違うから比べてはいけない。
でも、カオちゃんのトラブルに関して
『当人同士の事』として、トラブってる相手の子の話を聴くわけでもない、と。
上手く、意思疎通が出来ていない。
そんな事を聞くと、ユーリの葛藤やら
カオちゃんの気持ちを想像して切ない。
勿論、ジロの心の在り方も・・・