偶然。
久しぶりに偶然ママ友さんに遭った。
彼女、ミツコさんの息子ちゃんも不登校で
一時期はよく愚痴を言い合った。
ジロが中学生になって、PTAなどで会わなくなったけれど
スーパーでよく遭ったりした。
ミツコさんがちょっと複雑な顔をして
「うちの子、診断が出たよ。
軽い発達障害、なんだって」
泣き笑いのような表情を浮かべたミツコさんに
返す上手い言葉が見つからなかった。
「うちの子が他の子とは違うって思ってたけど
こうして診断が出て、良かったと思う」
「そうかぁ・・・じゃ療養に通ったりするの?」
「ぼちぼち、本人にも納得させて、それからかな。
私も心の準備がまだ出来てなくてね・・・」
ミツコさんは、ただ私に聞いてほしかっただけなんだと思った。
だから、当り障りのないことだけ言おうと決めた。
「ミツコさん、またうちにお茶飲みにおいでよ。
気持ちがいっぱいいっぱいになったら、しんどいよね。
うちのジロも、まったく動きがないよ。
体も頭も動かしてないから、カビが生えちゃいそう」
少し、近況を話しして別れた。
家に帰ってから、ズドンと気持ちが堕ちた。
ミツコさんが抱えている不安は、いかばかりか・・・
せめて、私は暗くなることは言わまい、と心に決めた。